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JERROD PAHL

JERROD PAHL

RHC Journal

Posted on Nov 15.2024

シャツジャケット、ボンバージャケット、ペインターデニムパンツ、クルースウェット……。どれもがベーシックなデザインながら、上質さとディテールへのこだわりを感じさせるのがJERROD PAHL(ジェロッド・ポール)のアイテムだ。気をてらうことのないカラーリングとクラシックなシルエットながらも、洗練さと時代性を絶妙なバランスで融合できるのは、JERRODの長年にわたるキャリアによるものだ。ロサンゼルスをベースとしながら、ファッションデザインはもとよりテキスタイルデザイン、アクセサリーやハードグッズなどプロダクトマネジメントなど多彩なファッション分野において経験を積んできた。そのノウハウを生かして、メジャーブランドから小規模なスタートアップ企業の立ち上げもサポートしている。いわばアパレルのプロ中のプロなのだ。とはいえ、その根底にあるのはJERRODのセンス、そして服づくりへのクラフトマンシップに他ならない。ロンハーマンとは、2005年にロサンゼルスのストアで初めて取り組みを行った。そして、今シーズンは、RHCロンハーマンのフィルターを通して、日本でファーストコレクションを展開する。JERRODに今回のコラボレーションを中心に話を聞いた。


JERROD PAHL(ジェロッド・ポール)のデザイナーJERROD。20年以上のファッション業界でのキャリアを生かして、アパレル業界のトータルサービスを手がける

——今回、RHCロンハーマンとの初めてタッグを組みましたが、感想を聞かせてください。

RHCチームとの初めてのコラボレーションは、とても楽しく貴重な経験だった。このコレクションでは、日常で使えるアイテムをさらに洗練させたものを目指し、既存のワードローブにも組み合わせやすいようなデザインアプローチを試みた。コレクションには、ワークウエアの要素や、アノラックやレザーボンバーのような上質なアウターを含め、質感やレイヤーを重ねたスタイルが特徴。また、スウェットアイテムには色のアクセントを加えて、立体感や若々しさを表現している。


RHCロンハーマンとJERROD PAHLのファーストコレクションが、今シーズンリリースされる。ヴィンテージ感漂うデニムのシャツジャケットやダブルニーのペインターデニムパンツなどトータルコーディネーションも楽しめる 

——今回のコラボアイテムは、JERRODが得意とするカットソー、スウェット、デニム、レザーにフォーカスして、すべて米国で仕上げました。

スウェットシャツは100%リサイクルオーガニックコットンでつくられている。リサイクルコットンからつくった特別な糸を使用し、ロサンゼルスで独自に編み上げた。また、レザーは自然な風合いを引き出す特殊なタンブル加工を施して、ミドルウエイトでありながら触り心地が柔らかな質感を生み出している。デニムのワークパンツは14.5オンスの生地を使用し、ストーンウォッシュ加工することで独自の表情をつくり出した。


JERRODのインスピレーションを具現化するロサンゼルスのスタジオ。これまでの経験が詰まっている 

——今回のアイテムもディテールまでこだわっていますね。JERRODのデザイン哲学は。また、服づくりのインスピーレーションはどこから生まれのでしょうか。

私のデザイン哲学は、旅や素材への探求、日々の経験からインスパイアされたクラシックで機能的なアイテムをつくることだ。特定の服の歴史を意識しながら、フィット感や構造、ビジュアル要素を通して現代的なひねりを加えようと努めている。シェイプやボリュームの実験が好きで、クラフトマンシップにも力を入れていて、どのアイテムもマルチに長く愛用できるはずだ。このようにデザインへのアプローチは、制作と製造を重ねるごとに進化し続けている。


洗練された色遣いが目を引くスウェット。クラシックなデザインながら、上質な風合いが醸し出されている 

——JERRODにとってファッションとは。

自分にとってファッションは、人間が住んでいる世界で自己表現するための多くの方法の一つにすぎない。楽しいものであり、あまり深刻にとらえるべきではないと思っている。道具としての実用性を持つことも、自己を定義する手段としても活用できるものだ。


「今回のコラボレーションのプロジェクトはとても楽しめた。これからも、いいクリエイションを続けていきたい」とJERROD 

——最後に、日本のお客様にメッセージをお願いします。

ロサンゼルスのロンハーマンに続いて、日本のRHC ロンハーマンでもこの歴史を継続できることがとてもうれしい。20年にわたって日本を訪れているけどが、本当にこの地が大好きで、くるたびにインスピレーションを受け、謙虚な気持ちになる。これからも日本で多くの思い出をつくっていけたらうれしく思う。

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