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10 「Truth of Blue」ロンさんからの手紙

10 「Truth of Blue」ロンさんからの手紙

RHC Journal

Posted on Sep 13.2023

店頭で手に取ってくださった方もいるかと思いますが、RHC10周年を記念したZine『California Dreaming』を制作しました。「RHCらしさとは何か?」その答えを求めて旅したカリフォルニアでのロードトリップの記録です。その旅の途中で、私たちは創業者のロン・ハーマンさんに会う機会を得ました。招かれたレストランの席に着くと、ロンさんは私たちに向けて手紙を用意してくれたのです。


「Blue is Deep , Life is Deep , Life is interesting because it’s Deep.」

「まずはRHCの前にロンハーマンの話をしなければいけないね。ロンハーマンにとってBlueという色はとても大切な意味を持つことを」と話しはじめたロンさんは「Blue is Deep , Life is Deep , Life is interesting because it’s Deep.」と、Blueについて語ってくれました。

「ロンハーマンの青はネイビーだという人もいるけど、濃いブルーなんだ。一見すると水は青い。でも、深く潜っていくとそれは濃厚なブルーになっていく。ぼくの哲学はいつも "Go Deeper"。何気ない些細な事でも掘り下げていくと本質に巡り合えたりするようにね。人生は深い。深いところに意識を向けるから人生は面白い。だから、Blueはぼくのソウルカラーなんだ」

いつだって青い空と海があるカリフォルニアで生まれ育ったロンさんにとってBlueは特別な意味を持つのです。


「時代は変わるし自分たちも変わり続けなければいけないけれど、創業時の想いやコアな部分は変わってはいけないことがあると思う。なぜRHCができたのか、どんな想いで作ったのかを知ろうとしてくれることに感謝しているよ」とロンさんは言ってくれました。

「“RHCとは何か”について考えたよ。実をいうと、私自身もわからないんだ(笑)。でも、聞かれたから深く、様々に考えを巡らせてみたんだ。RHCには2つの意味がある」
ロンさんはそう言うと、用意してくれた紙を広げて見せてくれました。そこにはロンさんによる手書きのメッセージが書かれていたのです。ロンさんはゆっくりと読み上げてくれました。

「RHCのロゴはモノグラムである。モノグラムとは一般的に文字を組み合わせたものという意味だが、その定義は私にとってとても奥深い。古代ローマ皇帝はコインが本物であることを示すために自らのイニシャルモノグラムを刻印し、現代においてはアーティストたちが自分の作品の証明にそこに記す。そう、家紋=「Crest」のように、自らを含むファミリーを表しているんだ。継承していくということ。まさにRHCのロゴはそれを表す象徴なんだ。普遍的でクラシックなデザインであり、ART of LIFEを象徴する本物のシンボル。

R・H・Cの3つの文字が交錯することは、私たちの過去、現在、そして明日の姿を表現している。これは、RHファミリーがごく自然に継承され、人々と文化をLOVEで繋いでいる姿を表しているんだ。人生で一番大切なものってなんだろうかと考えたよ。若い時はお金とか、恋人とか、仲間とか、色々なことを思っていたけれど、今この年齢になってみてわかったことがある。それは、今この瞬間こそが最も大切なのだということ。今とは過去と未来の間にあるわけなんだけど、それが結局全てということ。今を問うことは生きているものにしかできないこと。大事なのは、今を生きているかどうかなんだ。RHCの店舗とそこで販売されている商品には、『私たちが人生で大切にしているものは、今の私たちの心の奥底にあるものや、次の世代のために未来がどうあってほしいかを示している』という信念が込められている。どうぞ、じっくりとお選びください。―ロン・ハーマン」



手紙を読み終えたロンさんはこうも話してくれました。
「RHCはGeneral Store(=万屋(※ルビ よろずや))のコンセプトで始まった。つまり“生きて生活することの全てが詰まったお店”であるということ。朝起きてパンを食べて、仕事をして、運動をして、映画を見て、恋愛して……とにかく全部を表現して感じられる場所であるべきだと思っている。ロンハーマンはファッションやモノを扱い売る。RHCはなんでもアリだし普遍的でエンドレスなんだ。だって、人生という芸術を扱っているんだからね。それはつまり“ART of LIFE”。これが私の人生だ! という、自分自身の内側でしかわからないもの。そんなものの集合体がRHC。だからこそ、RHCの内側(店内)には何があってもいい。いや、そうあるべきなんだ」

10年歩んできたRHCがこれからどうあるべきか、何を大切にしていけばよいか、その大切なヒントがロンさんからの手紙と言葉に込められていました。

RHCはもっと魅力的に、もっと強くなれると私たちは信じています。これからのRHCにどうぞご期待ください。



text:Takuro Watanabe / photo:Rai Shizuno

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